billboard

定義と歴史

スクリュープレスの定義

スクリュープレスは1組以上のオネジとメネジをフレーム内で回転させ、加圧力を発生させる形式のプレス機械の総称です。 ネジにトルクをかけて静圧を発生させる形式と、ネジに固定されたフライホイールの回転エネルギーを勢いよく一時に成形に使用する形式の2つに分類されます。 従来慣例として、摩擦プレス・フリクションプレスの呼称を用いた事がありますが、摩擦(フリクション)はネジ軸に対するエネルギーの伝達方法のひとつであるに過ぎず、あくまで力はネジ機構で発生させているわけですからスクリュープレスが正しい総称です。 最近市場に投入されているスクリュー式サーボプレス機も、基本的にはネジ機構でスライドが上下成形トルクを発生させている限り、すべてスクリュープレスの一種類として見る方が妥当です。

スクリュープレスの歴史

西暦1400年代にドイツのヨハン・グーテンベルグが発明した活字印刷機はブドウやオリーブ油を搾るのに使用されていた木製のネジ式圧搾機を流用した物であった。インクを塗った活字板をネジ装置で紙に押し付けたもので、まさにこれがスクリュープレスのルーツであるとともに、全てのプレス機械のルーツでもある。(印刷関係や出版業でプレスの名称を使用するのも、ルーツを同じくしているからに他ならない)この装置は静圧(ジワッと時間をかけて圧縮する)をかける方式である。同様に静圧で熱間鍛造を行なうスクリュープレス機がヨーロッパの博物館に若干展示されており、中世ヨーロッパの城や教会の鋼製の扉や窓金具の製造に使用されていたと推測できる。現在主として使われている鍛造用のスクリュープレスは、オネジの上端にエネルギーを蓄積できるフライホイール(ぶり回し)が取り付けられる様になってから発展した。 人力によるフライホイールの回転は大変な疲労を伴ったため、やがて機械上部に常時回転する2枚のフリクションディスク(摩擦板)を取り付け、これをリンクレバーで牛革を巻きつけたフライホイールに交互に接触させてフライホイールを動力で回転させる事に成功した。これが摩擦駆動のネジプレスいわゆるフリクションスクリュープレスである。 戦前(1945年以前)は作業者が手動ハンドルでリンクレバーを操作する方式が主流で、スライドの上下移動と加圧力の手加減はすべて作業者の熟練度に依存していた。戦後はリンクレバーを無くし油圧または空圧シリンダーと電気リレー制御による押しボタンやフットスイッチ操作に変わり、さらにエンコーダーでスライド速度を直接検知してラム速度制御(加圧エネルギー制御)をする方式が採用された。また駆動方式も摩擦クラッチだけで無く、油圧モータ駆動、電動モータ直接駆動等多種開発された。しかし最近フライホイール・スクリュー軸を直接サーボモーターで駆動する方式(サーボモータ直接駆動方式)が市場に投入されてからは、その特質(後述)から市場の要求はフリクション駆動式からサーボ直駆動式に大幅に移行し、現在生産の8割以上はサーボ式となっている。

  • 人力によるスクリュープレス

    人力によるスクリュープレス

  • 博物館のスクリュープレス

    博物館のスクリュープレス

  • 戦前のフリクションスクリュープレス

    戦前のフリクションスクリュープレス

  • 最近のフリクションスクリュープレス

    最近のフリクションスクリュープレス

スクリュープレスについて

2001-2003 copyright© 2009.2.24 榎本機工株式会社.