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スクリュープレスのエネルギー消費

フライホイールエネルギーは一行程ごとに加工品の塑性変形・摩擦損失・フレーム等の弾性変形の三点に100%消費されます。
ここで、ほぼ同量発生すると考えられるスクリュー部等に生じる摩擦損失は別にしておく事にし、加工品が軟らかくかつボリュームがある様な場合ではフライホイールエネルギーはほとんど加工品の塑性変形に消費され、フレーム等の弾性変形には消費されません。つまりフレームに負荷がほとんどかかりません。

  • フライホイールエネルギーの消費(加工物のない場合)

    フライホイールエネルギーの消費
    (加工物のない場合)

  • フライホイールエネルギーの消費(加工物のある場合)

    フライホイールエネルギーの消費
    (加工物のある場合)

反対に加工品が硬くかつ薄い等変形させづらい場合はフライホイールエネルギーは加工品の塑性変形に消費されずそのほとんどがフレーム等の弾性変形に消費されます。つまりフレームはかなり伸ばされてしまうわけです。このプレスは機構的下死点がありませんので、金型同志をぶつける事もできますが、この際フライホイールエネルギーは全量フレーム等の弾性変形に消費されてしまうのです。
フライホイールエネルギーの多くを加工品の塑性変形に利用すべきである事はもちろんエネルギー効率から言って理想的な事です。従って、金型は可能な限り密閉化して横バリをたたく事は避ける事が必要です。
横バリは薄く金型同志をぶつけるに等しい事になるからです。しかし一方では薄物をたたくに関し、スクリュープレスは非常にメリットがある事も忘れてはいけません。下死点のある機械プレスでの薄物加圧は、フレームが伸びてしまうばかりで製品を成形する事が非常に困難を極めるからです。
薄物成形で、機械プレスや油圧プレスを使用する場合、かなり能力の大きなプレスが必要となってきます。場合によってはスクリュープレスの1000kNで可能な加工が、機械プレスでは3倍の3000kN,油圧プレスでは5 倍の5000kNが必要となる事もあります。

スクリュープレスについて

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